西海岸より

つらつらざつざつと

開発現場の掟を読む

開発現場の掟 (プロの鉄則) エンジニアが現場で生き残るための極意 (開発の現場セレクション)

開発現場の掟 (プロの鉄則) エンジニアが現場で生き残るための極意 (開発の現場セレクション)

著者は長年発現場を歩んで来たベテランエンジニア。現在は、管理、コンサルタントという立場だそうだが、技術好きという点でこの本を手に取ってみた。

アジャイルの難しさ

特に共感を得たのは、「アジャイルの難しさ」。
以前セールスフォースの強みがアジャイルという記事を書いたが、アジャイルを実践する際に求められる能力は高く、また継続していくことにその難しさがある。
設計から実装まで短いサイクルを繰り返し改善していくプロセスであり、結局はすべてのサイクルを一人でしなければならず、今の日本のIT業界からしてみればこのような人はあまり存在しないのではないか。

既存のモデルからアジャイルを取り入れる際、いきなり100%アジャイルを実践していく方法と、序所に変えて行く方法があると思うが、著者は後者の方を勧めている。その理由が上記のような十分な能力を持った人がいないからではないだろうか。そんな中でいきなり多くを変えようとすると反発を受けるだけで、少しずつプロセスや人の意識を改善していくことがより良いプロセスへ繋がる近道なのだろう。(またこれが人の問題とかで難しいのだと思うけれど)

自分(社会人新人)の視点で見てみると、まずしっかりと技術を身につけて、それをベースにその他の能力をのばしていくことが最善の道か。

以下の文は、「はじめに」で書かれていたもの。

本書を書くためのモチベーションとなったのは、"エンジニアが単なるサラリーマンではなく、現代の社会を支えるクリエイティブな仕事であることに誇りを持てるようになれば" との思いです。
 (本書「はじめに」より抜粋)

2005年末に就活した時には、ブログなどで日本のIT業界の悲惨な様子をさんざん読んだが、2009年現在、エンジニアの立場はどこまで意識されて改善されているのかな。少なくともこれからIT業界に入ってくる人たちは日本の悪しき習慣に染まらないよう、少しずつで良いので変わっていって欲しい。

全体の感想

全体としては他の同類の本を読んでいると、見たことある内容も多かったかも。ただ、現場経験談が多いことから、まだ現場経験の無い新人が現場に入る前に読んで、さらに現場である程度働いてからまた読むとためになると思う。個人的にも、典型的なHowTo本よりも、経験を積んで来た人の実経験に基づくリアルなお話の本の方が、好きな角度から自分の視点で見れるのでためになった。